top of page

ローコストという与条件だからこそ生まれたデザインにみるマチナカ製図室の役割と可能性とは?

*デザインを検討する「サンプル」の最後の行方をデザインソースにしました。

ものをつくる時には必ず「試作」をします。

建築ではまず図面を元に模型をつくり、その次に1/1スケールのモックアップを作成することで、デザインの検討を進めていきます。

その際に用いられるのが「サンプル」ですが、実はこのサンプル自体の末路は脚光を浴びるものではありません。

私たちは今回携わった物件はローコストという条件を軸にデザイン検討が行われました。そこでデザインソースとして用いられることになったのが、冒頭でも登場した「サンプル」でした。

本来廃棄される運命であったタイルカーペットの「サンプル」を再流通させることで、ローコストとデザインを両立するものになりました。

*「マチナカ製図室」第一号プロジェクトは、三角地に建つオフィスのインテリアデザインでした。

今回はオコメデザインのディレクションの元、マチナカ製図室はタイルカーペットのデザイン検討と施工をメインで行うことになりました。

マチナカ製図室でのMTG。

敷地は西武新宿線沿いの三角地。線路によって街区が切り取られ、そのまま建物内部にも影響を与えていました。

*建材の「サンプル」を再利用した「少量多種」をポジティブに捉えるデザイン

サンプルを使って設計を行う際に最もネックだったのは、個々の枚数が少ない点でした。少ないものでは1枚、多いもので4〜5枚毎のタイルが約30種類。これをどう敷き詰めていくかが検討対象となりました。

PC上でのスタディの結果を反映して、現場で実際のタイルカーペットを配置して並び方を決定していきました。

このオフィスの名称である「IRIS」はギリシャ語で「虹」を表すことから短冊上にカットしたカーペットを細長く並べ、虹をモチーフにしたデザインにすることになりました。

*施工はクライアントと学生、社会人メンバーによるセルフヴィルド

タイルカーペットはLIU KOBO(http://liukobo.jp/)制作の「治具(じぐ)」を使いタイルカーペットをカット。その後、三角形の室内空間にあわせて現場でタイルカーペットを調整していきます。

壁は養生を施した後に白のペンキで塗装。

ローコストで行う為、学生と社会人、クライアントができることを自ら手掛けていきました。大学のテストおわり、社会人の仕事おわりにワラワラ集合して作業を進めていきました。

苦労の末、カットしたタイルカーペットを貼付けていきます!

*ローコストという与条件によって生まれたデザイン

このプロジェクトは

1、ローコスト

2、サンプルの再流通

の二点がデザインのキーになりました。

コストが確保されているプロジェクトであれば同じ種類のタイルを敷き詰めてしまうのが一般的だと思います。ただし今回はローコスト、かつ、手にはいったのは少量多種のタイルカーペット。これをうまく使っていこうという発想から生まれたデザインだったと振り返ります。

*広がる主体によって実現したプロジェクト

そしてなによりこのプロジェクトの面白みはオコメデザインからマチナカ製図室を巻き込んだネットワークが構築されたことによって実現できた点だと思います。

フィーをもらうことが目的の仕事ではなく、でも趣味でもない、そんな絶妙な認識を共有できたメンバーが集まったからこそローコスト、かつ、作業量の多いプロジェクトでも完成へと繋がったのだと感じています。

*仕事でもなく、趣味でもない。そんなチカラの魅力を知った今、次のプロジェクトへ

社会の中であたらしいことをはじめようとするとき、やはりコストは大きなハードルになると思います。これまでにないようなオモシロイことをはじめようとすればするほどお金がない。これはある共通認識になっていくと思います。

従来まではこの「お金」がネックになって諦めていたことが、今回の経験を通じて、デザイン次第では諦めなくてもいい可能性もあるのだと感じました。

マチナカ製図室のあり方について、いま模索しはじめた段階ですが、今後もこのようなプロジェクトを通じて、今の自分たちだからできることを発信していきたいと思います。まだはじまったばかりです。

マチナカ製図室08H25/蔵前

http://08h25krme.wix.com/machinaka

https://www.facebook.com/%E3%83%9E-%E3%83%81-%E3%83%8A-%E3%82%AB-%E8%A3%BD-%E5%9B%B3-%E5%AE%A4-0-8-H-2-5-413521408851684/

(c)moriya

特集記事
後でもう一度お試しください
記事が公開されると、ここに表示されます。
最新記事
アーカイブ
タグから検索
まだタグはありません。
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page